前回の記事では、偏差値30と40の違いとして、
という話をしました。
では、なぜそうなってしまうのか。
小学生の頃から勉強ができなかった。
できないから嫌になる。
嫌だから逃げる。
逃げるから、さらにできなくなる。
そうやって「どうせ自分にはできない」と思うようになり、自分を更新しようとすること自体を諦めてしまう。
これはこれで非常に面白い話です。
ただ、おそらくこの記事を読む人が知りたいのは、
という話でしょう。
ここからは、普通に学習できる人が、どうすれば効率よく伸びるのかについて書いていきます。
とりあえず、数学について話をします
数学のおすすめ参考書を調べると、色々出てきます。
青チャート。
1対1対応。
プラチカ。
参考書だけでなく、鉄緑会や東進のような有名塾という選択肢もあります。
私は、これらを普通の高校生への第一選択としては、ほぼすべて不正解だと思っています。
東大に最も近い塾として有名な鉄緑会。
「入れさえすれば安心」と考える人もいます。
私は逆だと思っています。
生徒によっては、入った瞬間から地獄への一直線になりかねません。
では、最近実績を伸ばしている東進ならいいのか。
これも違います。
非常に分かりやすいと評判の先生の授業を一年間受けた。
本人も「授業は分かりやすい」と言っている。
なのに、一年間数学の成績がほとんど変わらない。
こんなことは普通にあります。
なぜか。
有名な先生の授業を聞く。
なるほど、と思う。
分かった気になる。
でも、自分で問題を解けるようにはなっていない。
それなら、どれだけ有名な先生の授業を受けても成績は伸びません。
では何を使えばいいのか
世の中で有名なものが全部ダメなら、何も残らないじゃないか。
そう思うかもしれません。
かなり極端に言えば、その通りです。
私はそう思っています。
もちろん、「青チャートには価値がない」という意味ではありません。
数学がかなりできる人が使えば、普通に使えます。
1対1対応も、プラチカも同じです。
鉄緑会も、最上位層が使えば非常に強い。
特に高3では類を見ない強さを発揮します。
問題は、
良い教材には、条件がある
私が教材を見るとき、かなり重要視していることがあります。
その一つが、
想定される学力に応じた、丁寧な解説があること。
これが大前提です。
数学の教材なのに、途中の式変形が大量に省略されている。
私はこれがかなり嫌いです。
いや、その式変形や考え方が分からないから勉強しているんでしょう。
できる人からすれば不要な説明でも、普通の生徒には必要です。
そして、こういう説明を省略した教材ほど、
「自分で補うことで力がつく」
「考えることで思考力が鍛えられる」
などと評価されたりします。
でも、それは、
なのであって、
さらに言えば、
まだ「思考力を鍛える」「自分で補う」という段階にすら到達していない生徒に、その段階を要求している教材が多すぎます。
考えさせること自体が悪いわけではありません。
考えるための材料すら揃っていない人に、「自分で考えろ」と言っていることが問題なのです。
鉄緑会の教材が、まさにそう
鉄緑会の教材はかなり省略されています。
説明を読めば全部分かる、という教材ではありません。
式変形や途中の考え方を当然のように飛ばしているところもあります。
さらに解説も、内容自体は大量に載っていますが、
「この問題と前の問題がどうつながっているのか」
「なぜこの順番で並んでいるのか」
「結局、何を身につければいいのか」
が見えにくい。
実際、
「自分は鉄緑の教材を使いこなせています」
という生徒に話を聞いても、細かく確認すると、かなりの部分を自己流で補っています。
それで正しく補えているならいい。
でも、間違った理解のまま進んでいることもあります。
それなのに本人は、
「分かっている」
と思っている。
私は、これは教材としてかなり怖いと思っています。
最上位層なら、それでも何とかなります。
分からなければ調べる。
先生に聞く。
別の参考書を見る。
自分で不足を補う。
でも、それができない生徒にはどうなるか。
分からない。
でも次が来る。
さらに分からない。
焦る。
自信を失う。
最後には潰れる。
私は実際に、そうなっている生徒を何人も見ています。
※かなり乱暴に、私個人の感覚で鉄緑会に点数を付けるなら、
最上位層にとっては高2まで50点、高3で90点。
それ以外の生徒にとっては、高2でも高3でも0点です。
とはいえ、20点台30点台がそこら中にあるこの業界からすると、最上位層にとっては、50点あれば十分高得点。
そして高3になると、教材や演習量の強みが一気に出てくる。
だから東大合格者を大量に出せる。しかし、50点故に、下位層が付け込める余地がある。
私はそう見ています。
でも、その結果だけを見て、
と考える。
私はそれが一番危険だと思っています。
では、
普通の生徒が本当に伸びる教材には、何が必要なのか。
次の記事では、そこをもう少し具体的に書いていきます。

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