今回は少し閑話休題です。
このブログの記事についてChatGPTと話していると、以前こんなことを言われました。
「あなたは、何かのメリットを考えるときに、その代わり失うものまで同時に考えている」
言われてみれば、確かにそうでした。
ただ、自分ではそんなことを意識して考えたことがありません。
例えば、
「もっと勉強した方がいい」
と言われたら、私はかなり自然に、
「じゃあ、その時間は何を削るの?」
と考えています。
「勉強を頑張ろう」で終わらない
勉強時間を2時間増やす。
それ自体はいいことに見えます。
でも、その2時間はどこから持ってくるのか。
睡眠を削るのか。部活を減らすのか。友達と遊ぶ時間を減らすのか。別の科目を削るのか。
一日は24時間しかありません。
何かに時間を使うということは、その時間を別のことには使えないということです。
だから、「勉強時間が増えたから良い」とは単純には思いません。
睡眠を削ったせいで翌日の集中力が落ちるなら、むしろ悪くなるかもしれない。数学を10点上げるために英語が15点落ちるなら、受験全体では失敗かもしれない。
何かを選ぶということは、同時に何かを選ばないということです。
私は多分、何かを増やす話を聞いた瞬間に、
「で、何が押し出されるの?」
まで見ています。
難しい問題をやることにも、代わりに失うものがある
問題集でも同じです。
難しい問題をやることには当然意味があります。新しい発想を知る。難問に慣れる。思考力を鍛える。
でも、その問題を1時間考えている間に、基本問題なら10問できたかもしれません。
今のその生徒に必要なのは、本当に難問1問なのか。それとも、基本問題10問なのか。
だから私は、
「この勉強に意味があるか」
だけではあまり考えません。
ほとんどの勉強には、何かしら意味があります。
そうではなく、
「同じ時間を別のことに使った場合と比べても、それをやる価値があるか」
を考えます。
これまでこのブログで、
「難しすぎる問題集を使うな」
「高校生活を全部受験に使う必要はない」
「小学生なら勉強だけでなく、遊びや経験も必要」
みたいなことを書いてきました。
結局、根っこはかなり同じです。
メリットを聞くと、逆側も見たくなる
もう一つ、多分私が無意識にやっていることがあります。
メリットを聞くと、
「逆は?」
と考えます。
例えば、
「この塾は東大合格者が多い」
と言われたら、
「その塾が優秀だからなのか。それとも、最初から東大に受かるような生徒が集まっているのか」
と考える。
「この勉強法で成績が上がった」
と言われたら、
「上がらなかった人はどれくらいいるんだろう」
と考える。
別に何でも否定したいわけではありません。
ただ、
一方向から見ただけでは判断したくない。
ということなんだと思います。
良いところがあるなら、悪いところは何か。悪いところがあっても、それ以上のメリットがあるなら選ぶ。
そして、一手目だけではなく、
「そのあと何が起きる?」
まで考える。
これも、自分では当たり前にやっていたことでした。
これを毎回意識してやったら、多分かなり疲れる
ただ、この考え方を全部意識的にやろうとすると、かなり疲れると思います。
何かを決めるたびに、
「メリットは?」
「デメリットは?」
「何を失う?」
「逆を選んだら?」
「その次は?」
「そもそもの目的は?」
と全部考える。
普通に面倒です。
多分、かなり疲れます。
私も毎回こんな質問を頭の中で一個ずつ唱えているわけではありません。
かなりの部分は、もう勝手に出てきます。
何かを足すと言われれば、「何が減る?」と勝手に考える。メリットを言われれば、「デメリットは?」と勝手に考える。一つ目の結果が見えれば、「その次は?」と勝手に考える。
多分、長い間そういう考え方を繰り返しているうちに、自動化されたんだと思います。
思考も、勉強と同じで自動化できる
これは、数学の勉強と少し似ています。
数学では、基本事項を毎回一から考えていたら、難しい問題を考える余裕がありません。
だから基本は、考えなくても使えるところまで持っていく。
思考も同じだと思っています。
最初は意識して、
「それを選んだら、何を失う?」
と考える。
「逆から見たらどうなる?」
と考える。
「その次は?」
と考える。
最初は疲れます。
でも、何度もやっていると、そのうち勝手に出てくるようになります。
そうなるとかなり強い。
受験より、人生で役に立つ
もちろん、受験でも役に立ちます。
志望校。文理選択。塾。教材。勉強時間。
何を選ぶにしても、得られるものだけではなく、失うものまで考えた方が大きく外しにくい。
でも、この考え方が本当に役に立つのは、その先だと思っています。
大学。就職。転職。結婚。子育て。
人生はずっと、
「何を取って、何を捨てるか」
の繰り返しです。
全部を100点にはできません。
仕事も100点。収入も100点。家庭も100点。趣味も100点。健康も100点。自由時間も100点。
そんな人生は多分無理です。
だったら、
何を100点にしたいのかを、自分で決めればいい。
何なら60点でいいのか。何なら捨ててもいいのか。逆に、何だけは絶対に捨てたくないのか。
それを自分で決める。
「普通はこうだから」
「みんなこうしているから」
ではなく、
自分の人生の物差しを、自分で作る。
最初は面倒でも、
「何を得るか」だけではなく、
「何を失うか」
まで考える癖をつける。
それが無意識にできるようになれば、受験どころか、その先の人生でもかなり強いと思っています。

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